2023/02/25

株式会社イマージュのすごい社長

 おはようございます!



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さて、

最近、「働き方」とか、「上司のあり方」とか、「新人教育」みたいな記事が多かったので、今日は具体例として、ある一人の経営者についてのお話をしたいと思います。


特に何かの結論が出る回ではありませんが、「こういう経営者もいるんだなぁ」って思いながら読んでみてください。


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▼ 株式会社イマージュ
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石川県のエステサロン『イマージュ』という会社に、鈴木社長という方がいらっしゃいます。


エステ業界というのは、非常に「一人のエステティシャンが売り上げる売上の単価」がとても高いんですね。


もう一人で数千万とか売り上げちゃうような…、それが『エステ業界』なんです。

つまり、従業員さんの教育によって会社が大きく変わるんですね。


その『イマージュ』という会社の企業理念が、「輝くお母さんになる」っていう企業理念なんです。


これ、ちょっと変わった企業理念で、一般的には、例えば「エステを通じてお客様の癒しを提供する」みたいな企業理念が多いんです。(#すてき)


つまり、お客様にどんな価値を提供するかっていうのが、企業理念になっている会社がほとんどなんです。


でも『イマージュ』の企業理念は違うんです。


「輝くお母さんになる」って言う対象者は、お客様ではありません。

スタッフなんですね。


「働いている従業員が輝く」っていう事を、企業理念に掲げている会社なんです。


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▼ スタッフがクレームを出したとき・・・
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最初から仕事が出来るエステティシャンなんかほとんどいなくて(#どこもそうですよね)、従業員教育というのがすごく大事で、必ずやっているのが「クレームが発生した時の仕組み」です。


クレームってもう大打撃なんです、なんせ一人当たりのライフタイムバリュー(一人のお客様が生涯その会社に払って下さる金額)が数千万だったりするので、一人のお客様を失うというのは、数千万のマイナス(損失)を生み出す事なんですね。


だからすごくクレームって厳しく減らさなきゃいけないんです。


でも、鈴木社長は「クレーム出してんじゃねえ!!」って怒るんではなく、

クレームを出したエステティシャンには、『お百度参り』みたいな仕組みがありまして、どんな仕組みかというと、自分の指名してくださるお客様のリストをもって、神社に行って、100回名前に対して「ありがとうございます。」っていうのを繰り返さなきゃいけないんです。


「○○様ありがとうございます。」


「△△様ありがとうございます。」


「□□様ありがとうございます。」


・・・・・


これを、例えば担当が70人いたら、70人×100回で7000回言わなきゃいけないんです。


で、言い終わったら、社長の携帯電話に「終わりました。」という報告をさせるっていう仕組みです。


クレームを出したスタッフに対して、「お前、やってこい。」としか言わず、そしてスタッフが100回やって終わると、間違いなくエステティシャンは号泣しながら、社長に電話してくるそうです。


「社長やっと、わかりました・・・。


私は全くわかっていませんでした!!


私は最低でした・・・。


本当はお客様に対して・・・


感謝なんか全然できてなかったんです!!


自分がどういう状態だったのか


やっとわかりました・・・。


これからはお客様に支えられている事を感謝しながら


一生懸命に尽くして働かせていただきます!!」


それに対して、社長は

「分かった。帰っておいで。」


そして、なんとその後のお客様アンケートの数字も劇的に変わってしまうそうなんです。


 


そんな風に本質をちゃんと本人が自分で気づける機会、環境をつくるという『指導』をされる方なんです。


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▼ それでもだめなら家庭訪問
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それでもクレームを繰り返す子も中には一部いるらしいんですよね(#いますよね)。


そうすると何をやるかというと、『家庭訪問』をされるそうです。


例えば、石川県から社長の車に乗って、その子を助手席に乗っけて、その子の出身が青森だったら青森県まで行くんです。


んで、「お前の通ってた小学校行こうぜ」っつって小学校に行って、二人で「どんな思いである?」って聞いて、


「あっ私、運動会で転んで泣いちゃったんです。」


「そうかー。そん時お父さんとお母さんはいたのか?」


とかって、思い出話をして


「次 中学校行こうぜ」って言って、


中学校に行くと、


「お前 中学校んときの思いで教えろ」と言ってまた、思い出話をひたすら聞く。


そして、その子が生まれ育った道路だったり、山だったり公園だったりを一緒に見て回るんです・・・。


そして最後、生まれ育った家に行って、ご両親が話してくれるような家庭環境だった場合は話をするそうです。

#「ちょっとお前どっかでコーヒーでも飲んでろ」って言って、ご両親と社長だけの空間にするそうです。


それこそ「生まれてきてから今日までどんな子だったかを全部聞かせてください。」って言うんです。

「あの子が産まれたときどんな気持ちでしたか?」


「あの子が初めて寝返りをうったとき、どんなでした?」


「あの子がはじめてハイハイし始めたときどうでしたか?」


「初めて幼稚園に入って一人で幼稚園に通うようになったとき、その背中観てどうでしたか?」


「初めて彼氏ができたっていうのをお母さん聞かれてどうでしたか?」


そうすると、間違いなくお父さんとお母さんは号泣しながら、


「本当にうちの子は可愛い子で、優しい子で、、」って、愛しか出てこないんですって。


そして鈴木社長はそれを聞いて、外に出したスタッフを呼び出して、「帰るぞ」っと言って、帰るそうです。


そうしたら、クレームはなくなるそうです。


たとえご両親に会えなかったとしても、玄関まで行って感じるらしいです。


この家庭訪問をすると・・・


『この社員はなんでそんなことをやるんだ』っていう攻める気持ちは・・・全く沸かなくなるそうです。


『 そっかぁ、この子はこんな頑張って生きてきたんだなぁ』それしかなくなる・・・!!


『 とにかく大切にしたい』って心の底から思うし


『 絶対大切にしなきゃダメだ』って自分が思う。


エステティシャンに、問題なんか一ミリもないそうです。


「全部、僕の問題なんです」と。


僕が知ってる家庭訪問はどっちかっていうと、家にいって学校での問題を両親に報告したり、家ではどうだったかっていう情報をとりにいくものなのですが、鈴木社長がやっている家庭訪問は実は、その人が生きてきたルーツをたどりながら『 自分が何をすべきか』明確にしてるんだなぁって思いました。


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▼さて、僕はどうだ?
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この話を初めて聞いたときはまだよく解っていなくて、今ではなんとなく頭では理解できているつもりですが、「じゃあお前できんのか?」って言われたら、僕は全然そのレベルではないです。


でも「そういう経営者が世の中にはいるんだなあ」というのは、


まだできてないけど、「そのレベルに近づきたいなぁ」という、メンターとして持っておきたい部分だと思っています。


この後はだいぶドライな話になりますが、


もしも、その鈴木社長の様な想いを受けて、「自分も経営者としてそんな指導をやってみたい!」とか、「いや、でも俺には無理だ」とか、自分で選んだ『後』の話です。


それでも、その従業員の事を、好きという感情になれなかったら、別れるべきです。


なぜなら、誰もハッピーにならないからです。


すごくリアリティのあることを言いますが、経営者にとって『好き嫌い』は何より大事です。


スタッフの事が好きだったら、どんなにその業界が苦しくても、どんなに従業員不足のタイミングがあっても、どんなに資金繰りが苦しい時があっても、必ず乗り越えられると思っています。


でも、『好き』という感情が無かったら、その組織は困難を乗り越えられないんです。


だから、経営者として、従業員を『好き』になる努力は、可能な限りした方がいい。


それでもなれないなら、「それが、私の器だ。」と、受け入れることも必要だというのが、僕の考えです。


これは、「僕の器」の話なんです。


みんな違うんです。 「自分の器」が。


ちょっと極端な例で説明すると、


会社経営家系で、お父さんの代で社員が1000人いたとする。

二代目がそれを引き継いだ時、スタッフがどんどん辞めていき、

結果スタッフが100人になったら、それが「二代目の器」だ、という事です。


お父さんの器が1000人で、二代目の器か100人だったら、900人辞めていいんです。


それが、『今』のその組織の器だからです。


経営者やリーダーは、どこかでそうやって俯瞰で『自分の器』を『観測』していた方がいいと思っていて、それは今回は『人数』で表しましたけど、『人数』だけじゃなくて、…わざと自分に言い訳っぽく言うと「相性」だったり、でも厳しく言うと『器』なんですね。 やっぱりそれって。


どんな人の事も愛せる。 好きになれる。 っていう幅って、未熟な人間には限界があるんです、おそらくね。


でも、鈴木社長みたいな人もいるってことは、知っていた方がいいと思います。


なんでかというと、すぐあきらめちゃうから(笑)。


「しょうがない しょうがない。」と言って、「切れ切れ」みたいになっちゃう。

#そんなひどくはないでしょうけど


それももったいないですよね。


そんなことはない。 広げることは出来るので。


「でも、今現在の器はここ」っていうのはあるんです。


自分の限界。 部下の限界じゃないですよ。


あくまで、自分の器の限界が今の時点ではあるんです。


そこでどうしても相容れない。


要は、感情的に相容れない場合は、別れた方がハッピーになると思います。


これは、従業員の前で言語化は出来ないんです。


「お前、嫌いだからクビ」って言えないので。


でもね、本当はあるんです。


嫌いな人を幸せにするっていうエネルギーって出ないんです。


そんな理屈では経営できないんで。


だから、自分の中では「おれ、まだまだ未熟だな」って自分に反省しながら、別れるって選択もどっかに持ってないと、ずーっと相手も自分も周りも苦しめてしまう可能性もあるので。



二つの両極端な話をしましたが、きっとこの二つを知っておくと「自分で選べるんだ」という選択肢を心にもてると思ってお話ししました。


僕も、知っているだけでまだまだ未熟な状態ですが、少しでも器を広げて、来た人みんな抱えれるように努力し続けます!!


今日もありがとう!


じゃ

またね!


阿部


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